貧血は最近調子に乗り過ぎだと思う

42歳の初産婦。妊娠38週5日に規則的子宮収縮を訴え来院し、陣痛発来と診断され入院となった。その後、鉗子分娩で3200gの女児を娩出した。頸管裂傷を認め縫合したが、非凝固性の出血が持続し、分娩後30分で出血量は1500mlを超えている。顔面は蒼白で発汗を認める。意識レベルはJCSⅠ-1。身長158cm、体重62kg。体温37.2度。脈拍128/分、整。血圧78/48mmHg。子宮底は臍上3cmに触知し、子宮収縮は不良であった。

血液所見：赤血球330万、Hb 8.9g/dl、Ht 27%、白血球12200、血小板9.2万、PT 30秒（基準10～14）、血漿フィブリノゲン50mg/dl（基準200～400）、血清FDP 135μg/ml（基準10以下）、Dダイマー 80μg/ml（基準1.0以下）。

＜今回の要点＞

①DICの治療は、抗凝固療法と抗線溶療法という、相反する治療を並行して行う必要がある

②羊水塞栓症や常位胎盤早期剝離は、大量出血より先にDICが先行する

前回述べたように、大量出血からのDICは

・貧血

・凝固因子の欠乏

・凝固系の亢進

・線溶系の亢進

が同時に起こっており、これらをすべて解決しなくてはなりません。

貧血に対しては、赤血球輸血

凝固因子の欠乏に対しては、FFP輸血（必要に応じてフィブリノゲン製剤も）

です。

問題は、凝固系の亢進と線溶系の亢進という、180度違う病態にどう対応するかです。

もちろん治療方法も180度違うので、どちらの病態がより優位なのかで治療方針を決める必要があります。

日本内科学会誌によくまとまった記事をみつけたので、その中の図を載せておきます。

＜＞

凝固優位型の場合はヘパリンやアンチトロンビン

線溶優位型の場合はトラネキサム酸が治療法になります。

まあ、この辺はちょっと細かいので、そういう概念だけ一度理解しておけばいいと思います。

本問の選択肢にはDIC治療までは入っていませんでしたが、最終的に必要になっていた可能性は十分あると思います。

優先順位的にまずは赤血球とFFPの輸血が必要ですが、血小板輸血が必要になった可能性も大いにあります。

＜産科DIC＞

ここまでDICの一般論について説明しましたが、実は産科領域には特にDICになりやすいケースがあります。

前回、↑この図を紹介しましたが、この中の羊水塞栓症と常位胎盤早期剥離は、他のものとは性質が異なります。

他の疾患はすべて、大量出血が先行して凝固因子が欠乏し、DICに陥るという流れでした。

しかし、ご丁寧に”DIC先行型”と書いてある通り、羊水塞栓症と常位胎盤早期剝離は、大量出血が先行するわけではなく、DICが先行します。

その結果、凝固因子の欠乏、線溶系の亢進が起こり、結果的に出血が止まらなくなります。

イメージとしては、決壊した堤防は一部だけど土嚢がまったくないので塞ぎようがない、という感じです。

なぜこんなことが起こるのかというと、

羊水塞栓症の場合は

羊水中の胎児成分（胎便、胎脂など）が母体血中に流入することで、

常位胎盤早期剝離の場合は

胎盤後血腫から生じたトロンボプラスチンが母体血中へ流入することで

凝固系が亢進するからです。

その状態が続くことで凝固因子が枯渇し、線溶系が亢進し、止血できない状態に陥るのです。

このように、分娩に際してはDICが起こる可能性があるので、特に産科DICという呼称があり、それを点数化した産科DICスコアというものがあります。

↓これがその表ですが、に載っているので、参照してください。

＜＞

本問のスコアをつけてみましょう。

基礎疾患は”DIC型出血（出血量：1～2L）”で1点

臨床症状は”出血傾向””ショック（4項目とも該当）”で8点

検査は”FDP””血小板””フィブリノゲン””PT””その他の検査異常（Dダイマー）”で5点

で、計14点ですね。

13点以上でDICなので、本問はDICと診断がつきます。

＜産科危機的出血への迅速な対応のために＞

ここまで長々と解説してきましたが、とにかく出血への対応は時間との勝負です。

先述したガイドラインには、対応フローチャートが載っているので、分娩に携わる医療従事者は知っておくべきです。

あと、急激に出血が進む場合はクロスマッチの時間すらないことがあります。そういうときのために、異型血液型輸血についても知っておきましょう。

O型の赤血球はすべての人に輸血できます。逆にFFPと血小板は、O型の人にはどの血液型でも輸血できます。

p.s. 医師国家試験って、「それ知ってるからって何なん？」みたいな問題も正直結構あります。大半の医者が一生見ることがないような疾患とか。そういう意味では、産科危機的出血もそうかも知れません。しかし、これは絶対知っておくべき事柄です。失血死というのは産科に限ったことではありませんし、何より、起こった時にゆっくり調べる時間がないからです。ぜひ、状況を想像しながら勉強してください。

次回は「分娩時異常④～弛緩出血～」です。

（次回の問題）

107E42

38歳の初産婦。妊娠41週2日。陣痛発来のため入院した。陣痛は次第に増強し、4010gの女児を経腟分娩した。陣痛発来から児娩出までに要した時間は5時間で、児娩出後5分で胎盤が自然娩出した。娩出した胎盤に欠損はない。第1度の会陰裂傷に対し縫
合を行った。分娩後1時間が経過しているが、中等量の出血が持続し、ここまでの出血量は500mlに達した。意識は清明。脈拍72/分、整。血圧110/68mmHg。呼吸数24/分。下腹部痛はなく、子宮底は臍上2cmに触れる。

まず行うのはどれか。

a.輸血　b.子宮全摘出術　c.抗DIC療法　d.子宮内容除去術　e.子宮底輪状マッサージ

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妊活経歴

子宮内膜症の疑いあり

甲状腺機能低下症

黄体機能不全

2014.3 結婚

2017.1 妊活スタート

2017.3 タイミング指導①　婦人科

2017.9 転院　

タイミング指導②③

2018.1  不妊治療専門クリニックへ転院　タイミング指導④

2018.2　リセット　定義上「不妊症」

タイミング指導⑤　

2018.3　１４周期目　自己タイミング

風疹予防接種でお休み期間

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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本題です

二十代後半から

生理1日目の貧血が重くなった

会社休む月も多い

休むほどのなんて

どれくらいひどいのかと

思っていたけど

実際体調悪い日は

めまいと

吐き気で

立っていられない

過去に一度

救急車呼ぼうかと思った時もあった

痛すぎて

気絶しそうだったから

痛いのに耐えてたら

過呼吸で倒れたことも

そんなことを考えると

やっぱりなんか

あるんだと思う

子宮内膜症の疑いで終わってるけど

疑わしい。。

毎月の生理を考えると

不妊につながる理由も

分かる気がする

改善したいと

いろいろ試したけど

なかなか成果につながらない

ただえさえ

嫌な生理

蒸れるし、ゴワゴワするし

せめて少しでも快適に過ごせるよう

変えていきたい

あー

お腹痛い

フラフラする

下記の質問がありましたのでお答えします。

採卵数は1～2個、高刺激でも3個にての質問は、本人が特定できないように一部を変えております。

「一昨日、留美さんのブログと出会え2日間でほぼ読破し重要点すべてノートにまとめました。
夫婦共にお酒が大好きですが、妊娠するまでは1滴も飲まないことを昨日互いに誓い合いました。

一人目の子供を夢みて治療開始から3年3ヶ月が過ぎ金銭的に余裕がなくなり、次の1回が最後と思っています。
留美様の博識とご経験を貸して頂ければ幸いです。（お尋ねしたい箇所に★、番号をつけました）

私：4月で44歳　ＢＭＩ22.5　ＡＭＨ0.8　週2～3回筋肉トレーニング・ヨガどちらか
夫：41歳　筋肉質　週2～3回キックボクシング・ムエタイどちらか

埼玉のＷクリニック一筋で人工6回、顕微受精　6、7回くらい？うち1回化学流産。

低刺激・高刺激も試しましたが採卵数は1～2個、高刺激でも3個
はじめ何回かの採卵では培養しても育たず私の年齢も踏まえ
このところはレトロゾール法・自然周期・新鮮初期胚移植を続けてますが厳しい状況です。
そして3回連続採卵日(D12)の排卵済→人工授精。（上記6回には含まず）
3周期も無駄にしたことが無念でなりません。

2回目までは耐えましたが3回目は流石に帰宅してから大声で泣きました。
そんな時に留美さんのブログに出会い大変救われました。
情報共有、本当に有難く思っています。

先生は2回目の時点で「採卵を早めても未成熟卵になるから、その辺の見極めが難しいので
採卵日の時間を早めるとかしない」とということでしたが3回目の採卵日の順番は最後だったことも
気に掛かり今は転院も視野に入れています。

現在通うＷクリの魅力は
2個移植を実施してくれる、名医で研究熱心、体外受精にも力を入れており埼玉でもそれなりに良い設備。
（本年１月に３倍位の規模に広げ移転開院）
昨年まではＭクリ　で医師1名体制、培養士数名から移転後は曜日によって医師増員、
全体的に大幅増員体制になりました。
 

★留美さんのＷクリの印象をお聞かせ頂きたいです。

★以下懸念点です、お気付きの点があればご指摘頂きたいです。
私
3、4年前に子宮筋腫があり腹腔鏡手術を受けました。
その後も成長あると思いますが医師からは「気にしないで大丈夫」と言われています。
隠れ貧血のようで鉄分は多く取っています。低血圧です。
朝食（バナナ・人参・牛乳スムージー、カフェオレ、自家製の全粒粉おからパン）、昼食（納豆、ゆで卵、玄米、夕食の残り野菜少量）、夕食　私が作りますが遅い時間に食べます22時すぎ）
一昨日から留美さんお薦めの栄養過多に切替えました。

夫
前立腺が長期にわたり腫れたことがあります。それが原因の太もものしびれ有り（医師からお酒の影響大の指摘）→禁酒、処方薬服用により回復。（先生は問題ないとの回答）
一昨日まで、ほぼ飲酒していた為か調子良くはないが悪くはないといった状況。
朝食（バナナ・人参・牛乳スムージー）、カフェオレ、昼食（冷凍シューマイ入り弁当）、夕食　私が作りますが遅い時間に食べます22時すぎ）
★夫の食も見直すべきでしょうか。

服用サプリ
私：ピジョン（葉酸・鉄・カルシュウム）昼2夜2（朝はコーヒーを飲むため吸収を阻害するとのことで飲まない）、ファイチ2錠10ｍｇ、コストコのビタミンＣ、NOW社ウルトラオメガ３（ＤＨＡ含有）
夫：ピジョン（葉酸・鉄・カルシュウム）夜1錠のみ（亜鉛追加予定）

①排卵止めの薬について
無理かもしれませんが精神科で処方を受ける方法と薬名を教えて頂けないでしょうか。
排卵済のショックはもう味わいたくないです。

②以前生卵を攪拌してからの摂取だと何かの栄養成分の摂取が劣るため、混ぜない方がいいとの意見がありました。
留美さんも混ぜずに摂取されているようですが、それがあるからですか？それとも混ぜて摂取しても問題ありませんか？（卵かけごはんで食べたい）

③転院について　アドバイスを頂ければ助かります。

④現クリニックでの採卵は毎回局所麻酔です。
　留美さんはＫクリニックで麻酔なしで採卵されたとのことですが、その違いも重要でしょうか？

⑤過去治療に70万掛かるとありましたが、ＫクリＨＰで提示している治療費（新鮮胚移植プラン）では40万位でした。
　差支えなければ概算で結構ですので留美さんがお支払の費用をお聞かせ頂けないでしょうか。

⑥フラメンコを習っています。踵の刺激は生殖器に良い影響を与えると聞いたことがありこれ幸いに思っていましたが
　自転車の微振動の影響と類似しているため続けて良いものか気になります。

⑦ファータイルストレッチという骨盤まわりの血行を促すストレッチ（30分～1ｈ）は、ウォーキングの代わりになりますか？

先生は「卵子の質が全て」という前提、数値での判断でお話しをされます。
先生曰く、「高齢でも、たまたま質のいい卵子と巡りあえた時に妊娠する」ということでした。だから何回もチャレンジするしかないと。
それは御最もなのですが留美さんのブログを拝読し留美さんのお考えとしては
留美さんの仰ることを実践しきちんとした食生活をすれば毎回の卵の質が高められるということでしょうか？
留美さんがご懐妊され現在に至った時の卵子は上記先生の言う「たまたま」ではない。
同年代でも努力により質のいい卵子が作れるという解釈をしています。
★このブログで留美さんが仰りたいことの一つは、そういうことですよね？

今回の結果（排卵済み）でも転院について頭をよぎりましたが留美さんのブログを拝読して更に
私としてはＫクリに転院をしたい気持ちがかなり出てきています。
すぐ夫へ相談したところ、夫はＫクリに乗り気でなく成功率も「分母が大きければね」という返答でした。
もう少し説得すれば反対はしないと思いますが、今のＷクリより各段な技術の差が素人には目に見えず
★留美さんが両者比較した見解をご教授頂きたくお願い申し上げます。

★来週期もし転院できない可能性もあり、それも踏まえお気付きの点やアドバイスを頂ければ助かります。

既出の質問は避けたく読破後にと思っているうちに質問したいことが多くなって
さらに切羽詰まり気になること図々しくお尋ねしてしまいました。申し訳ありません。
返信は分けてでも可能な限りでも結構です。焦らずに、お時間の許す時で構いません。」

 < /p>

採卵数は1～2個、高刺激でも3個ということですが、こちらに関してはあまり気にされなくても大丈夫です。

私は注射によって誘発したにもかかわらずたった１つしか採卵出来ませんでした。

それに、私が採卵した卵子は「未成熟」でした。

病院の培養技術が優れていいれば、未成熟でも問題がほぼありません。

それよりも、排卵済みになってしまったことが病院の予測が悪かったと思います。

しかも順番が最後ってモヤモヤしますよね。

私はものすごく低血圧です。

また、子宮筋腫もありました。

子宮筋腫は体外受精ではそこまでは関係ないとクリニックkでの初診の際に言われました。

Ｗクリに関しては、私ならそこを避ける気がします。

都内に出ます！

何回も都内に出るのが大変なら、近所の不妊治療のクリニックと掛け持ちしてそこで卵胞の大きさチェックとかしてもらうといいです。

私がそうでした。

また、旦那様がクリニックKに行かなくても、、とお考えのようですが、実は私も最初そういう考えでした。

「どこも同じかもしれない。」そういう考えが頭のどこかであったのですが、

「待ち時間が長いクリニックにはそれなりの訳がある！」という事を教えていただき、迷う事なくクリニッくkに行きました。

私がこのブログを始めた理由は、

「こんな高齢の私でも、食生活とか栄養を見直したりすれば、そしてたとえ判定日のhcgが低すぎて流産すると言われようが卵をたくさん食べたり鉄分をたくさん取れば妊娠継続出来るよ！！」と伝えたいオバタリアン精神でした。

妊娠は偶然という見方もありますが、私は、例え４５歳以上でも妊娠しやすい体は自分で作れると思っています。

旦那さまの食生活は見直さなくても、亜鉛をプラスすればいいかな？と思います。

①〜⑦の質問にお答えします。

①排卵止めの薬について
無理かもしれませんが精神科で処方を受ける方法と薬名を教えて頂けないでしょうか。
排卵済のショックはもう味わいたくないです。

眠れない、ちょっと精神が不安定ということで「マイスリー」と「レキソタン」を処方してもらいました。

こちらを寝る前に４分の１飲みました。

これが排卵を遅らせるらしいです。

②以前生卵を攪拌してからの摂取だと何かの栄養成分の摂取が劣るため、混ぜない方がいいとの意見がありました。
留美さんも混ぜずに摂取されているようですが、それがあるからですか？それとも混ぜて摂取しても問題ありませんか？（卵かけごはんで食べたい）

私は混ぜて醤油をかけて食べています！

問題ないと思います。

③転院について　アドバイスを頂ければ助かります。

私はクリニックkをお勧めします。

④現クリニックでの採卵は毎回局所麻酔です。
　留美さんはＫクリニックで麻酔なしで採卵されたとのことですが、その違いも重要でしょうか？

麻酔が有る無しでは妊娠率は変わらないです。

クリニックkでの無麻酔は、普段のエコーの方がいたいぐらいでした。

⑤過去治療に70万掛かるとありましたが、ＫクリＨＰで提示している治療費（新鮮胚移植プラン）では40万位でした。
　差支えなければ概算で結構ですので留美さんがお支払の費用をお聞かせ頂けないでしょうか。

私はすごく大雑把なのでお金の計算はしていませんが、おそらくクリニックkに合計支払った金額は５０万〜６０万の気がします。

私の場合は誘発の注射もありました。

⑥フラメンコを習っています。踵の刺激は生殖器に良い影響を与えると聞いたことがありこれ幸いに思っていましたが
　自転車の微振動の影響と類似しているため続けて良いものか気になります。

フラメンコは、弊害は全くないと思います。

かといって、妊娠が高まる訳でもないと思います。

⑦ファータイルストレッチという骨盤まわりの血行を促すストレッチ（30分～1ｈ）は、ウォーキングの代わりになりますか？

私もタイミング法や人工授精をしていた時にそういう運動をしました。

けれど妊娠に至らなかったので、私はウォーキングをお勧めします。